2019年5月23日木曜日

(2019/05/23) 4コマとベストの形

これまでいろんな4コマ漫画フォーマットを発明してきました。

中でも『中年男子の日常』の、4コマの左側にキャラ紹介欄と読者コメントを収録するスタイルは、1ページあたりの情報量が非常に多いため、これが最強フォーマットではないかと一時期考えていました。

既存の4コマタイトルも、いったんこのフォーマットに編集しなおしたりしたのですが、実際にやってみると、タイトルによって合う合わないがあると感じました。

考えてみれば当たり前ですが、4コマフォーマットにもそれぞれ特性があり、作品にもそれぞれ個別の特性があり、作品によって相性の良いフォーマットは異なるのでしょう。

自分から見た、4コマスタイルの特性と、それぞれにフィットする作品をちょっと書いてみます。



◇ プレーン4コマスタイル



  • 強味:一番シンプルな形なので、基本すべてにフィットする。かなり縦長なのでスマホだと特に見やすい。余計なものがないため、1本単位だと製作時間も最短。
  • 弱点:オリジナル作品だと、キャラクター設定が分かりづらい(それを補完するのが下記のキャラ紹介スタイル) 1ページ埋めるのに2本必要なので、1ページ単位だともっとも製作時間がかかる。

>フィットした作品

  • 単発の二次創作4コマ:単発の二次創作はプレーン4コマがシンプルイズベスト。



◇ 半ページイラストスタイル



  • 強味:メインヒロインの魅力を強調できる。
  • 弱点:イラストを描くのが大変。メインヒロインが複数いる場合、使いどころがちょっと難しい。

>フィットした作品

  • ワルよん:基本的に単独ヒロイン作品で、ワルキューレ自身も人気なので、おそらく半ページイラストスタイルがベストと思われる(まだ実行はしていない)



◇ ネタ解説スタイル



  • 強味:予備知識を要求されるようなマニアックなネタだと、作者か読者コメントによるネタの補足説明があった方が初心者にやさしい。テキストなので、1ページあたりの製作時間もこの中では最短。
  • 弱点:解説する余地があまりないような作品だと書くことがないため、使える作品が少ない。

>フィットした作品

  • びーむちゃん:ネタがマニアックで分かりづらいため、当時の読者さんの要望で解説欄を設けて好評だった。



◇ キャラ紹介スタイル



  • 強味:オリジナル作品だと、キャラクター設定が分かりづらいため特に有効。マストまである。キャラ設定を知っている二次創作でも、キャラ紹介文は一種のミニコラムのような楽しさがあったりする。
  • 弱点:特にない。一番バランスのとれたフォーマットかもしれない。弱点とはちょっと違うが、登場キャラクターがほぼ固定だと、キャラ紹介欄を設ける意味があまりない。

>フィットした作品

  • わたモテ4コマ:原作に忠実な二次創作なので、キャラ紹介欄がなくても問題ないが、キャラクター数が多く、各キャラの情報量も多いので、キャラ紹介文があった方が楽しく読める。



◇ キャラ紹介欄+読者コメント収録スタイル



  • 強味:読者コメントが良い感じに機能している場合は、読者コメントの力で深みが出て、作者単体の力よりも面白い作品になる。
  • 弱点:ピーキーな性能で、作品や作家をかなり選ぶ。読者さんがコメントでツッコミやすいタイプの作品じゃないと難しい。コメント編集作業等で製作時間がかなりかかる。あまりにも情報量が多すぎて、読者さんの好みが分かれるかも。

>フィットした作品

  • 中年男子の日常:オリジナル作品なのでキャラ紹介欄があった方が良い。また、4コマのテーマ上、読者コメントでネタを補完してもらった方が深みが出て面白くなる。
  • びーむちゃん:biim兄貴本人に公式なキャラデザがない関係で、元ネタが分かりづらいので、キャラ紹介欄があった方が良い。biim兄貴ガチ勢が良い感じにコメントしてくれるので、読者コメント欄があった方が面白くなる。
  • さくら30歳:原作からキャラデザを大幅に変えている関係で、元ネタが分かりづらいので、キャラ紹介欄があった方が良い。ツッコミどころしかない感じの二次創作なので、読者コメントによるツッコミとも相性が良い。



◇ 番外編:判型に関して

  • B5判:2~30ページ程度の薄い本を出しやすい。判型が比較的縦長なのでスマホと相性が良い。弱点は、A5判の総集編本を出すには原稿を縮小しないといけないことだが、大は小を兼ねるで、これはまあなんとかなるか。
  • A5判:印刷費が比較的安価。60ページ以上くらいの総集編本を出す場合に有効。弱点は、物理的に小さいので、同人ショップに置かれるとB5判の本より目立たない。